火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 37


第四章 一ヶ月に一度の出会い 11


「娘よ。青年と会えない日には、心の中で話を
しなさい。そうすれば、さみしくないぞ。一ヶ
月なんて、あっという間じゃ。娘よ、元気をだ
しなさい」
明神さまは、心の中で娘に話しかけました。


その夜。
「きよ。このごろ元気がないけれど、どうした
んだい」
おとうさんが心配して聞きました。
「とうちゃん。なんでもないわ。心配しないで」
「きよ。次郎君と、けんかでもしたのかい」


         つづく