火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 50


第五章 次郎の見合い 12


「これは、一体どういうことなのじゃ。わし
には、さっぱりわからん」
明神さまは、小声でつぶやきました。
そして、桑のかげから、二人の様子をじっと
みていました。


次郎とみよは、楽しそうに話をしています。
笑い声も聞こえてきました。
「おもしろい娘じゃのぅ」
明神さまは、みよの話を聞き、くすっと笑っ
てしまいました。


すると、
「ねぇ、次郎さん。これからも私と会ってく
れる」
「おらは、みよちゃんと会う気はない」
次郎が、ぶっきらぼうにいいました。


         つづく