火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 51


第五章 次郎の見合い 13


「なぜ? 次郎さん」
「おらには、小さな時からつきあっている人がいる」
「誰なの?」
「そんなこと、知り合ったばかりのみよちゃんには
いえない」
「次郎さんは、その人と結婚するの」
「まだ決めていない」
「じゃあ、私ともつきあって。ね、いいでしょ。次
郎さん」


二人の話を聞いていた明神さまは、「やはり、こう
いうことだったのか」と思いました。
きよがさみしそうだったわけが、よくわかりました。


          つづく