[童話]火とぼし山
火とぼし山 43
第五章 次郎の見合い 5
「今、野良の仕事が忙しい。だから、今度
会うのは、一カ月後かな」
「一カ月後? そんなのいや。私、毎日でも
次郎さんに会いたい」
「きよちゃん。毎日なんて無理だよ」
「次郎さんは、私と会うのがいやになった
んじゃないの」
きよが、さみしそうにいいました。
「そんなことはない。おらは、きよちゃん
と会うのを楽しみにしている」
「じゃあ、一カ月後、次郎さんに会えるの
を楽しみにしているわ」
「おらも、楽しみにしているよ」
そういって、二人は別れました。
つづく