鹿になった観音さま

[童話]鹿になった観音さま


鹿になった観音さま 20


「そうか。三郎さ、ありがたくいただくぞ。本
尊の観音さまもさぞ喜んでおられるだろう」
三郎は、全財産を寺に寄進しました。
そして、寺の手伝いをしながら暮らしました。


和尚は、石になってしまった愛犬に、毎日お経
をあげています。
一ヶ月後。
和尚は、いつものように、石になった二匹の愛
犬に、お経をあげていました。
すると・・・。
「わん、わん、わん」
犬の声がしました。
石の中から、タケルとチハヤがとびだしてきま
した。


        つづく