2020-01-05 赤い夕顔の花 童話 [童話]赤い夕顔の花 赤い夕顔の花 31 私は、お万さまも、大好きだった。 母のように慕っていた。 お万さまも、心から私をかわいがってくれた。 でも、盛永さまは、誰よりも奥がたのお万さまを 愛し、大事に思っていたのだ。 くやしい。 犬坊の頭の中を、これらのことばがぐるぐるとか けめぐりました。 「お万さまは、ほんとに幸せなかただ。こんな非 常時にも、盛永さまに思ってもらえるのだから」 犬坊は、母のように慕っていた奥がたのお万に、 しっとしました。 つづく