ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


   小桜姫とふしぎな鈴 5


「ねえ、おとうさま。花はいくつ咲いているの?」
「ニ百くらいは咲いているだろう」
おとうさんはうれしそうにいいました。


姫が七才になった春のある日。
庭の桜が満開になりました。
例年になく、美しい桜でした。
「今年の桜は、みごとじゃのぅ」
おとうさんはごきげんでした。
「姫、いいものをあげよう。この鈴は、わが家に伝わ
っている鈴だよ」
おとうさんは、木箱に入った二つの鈴をくれました。


その鈴は、諸国を旅していた坊さんが、大江家に
泊まった時、お礼にくれたものでした。
「この鈴を、大切にするように」
そういって、坊さんは立ち去ったそうです。


         つづく





「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。


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「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。