女神さまとの約束

[童話]女神さまとの約束


    女神さまとの約束 40


部屋の中はあたたかでしたが、何カ月間も毎日雪を
みてくらさなくてはなりません。
ふくは、けわしい岩場の生活に、だんだんあきてき
ました。 
病人をすくうことに、むなしさを感じるようになってい
ました。
「女神さまが、自分で病人をすくえばよいのに。なぜ
私がすくわなくてはならないの?」
こんな気持になることも、たびたびでした。


「とうちゃんは、元気でいるかしら」
「たきたてのあたたかなごはんが、食べたいな」
「大好きなりんごも食べたい」
そう思うと、ふくは家に帰りたくなってしまいました。


             つづく





童話「女神さまとの約束」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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童話集「竜の姿をみた少女」の価格は、現在 1540円です。