女神さまとの約束

[童話]女神さまとの約束


    女神さまとの約束 41


秋になり、硫黄岳のふもとの木々も、赤や黄色に紅
葉しはじめました。
そんなある日。
「白駒、お願い。私を家へつれていって」
「ふくさん、女神さまとの約束を忘れたのですか。約
束をやぶると、大変なことになりますよ」
「大変なことって?」


「女神さまとの約束をやぶると、ふくさんの命はありま
せん。私は、女神さまとの約束をやぶった、何人もの
人を知っています。だから、ふくさんには、女神さまと
の約束を、ちゃんと守ってほしいのです」
「私は、女神さまとの約束を守り、けわしい岩場に残り、
何百人もの人をすくいました。とうちゃんに会いたくて
も、じっとがまんしました。


             つづく





童話「女神さまとの約束」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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