[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」
「ぼくの名前は?」 3
「りゅうなんて名前をつけなければ良かった・・・」
ある日、あーちゃんはぼくにむかっていった。
「ねえ、りゅう。ちろとか、まろとかいう名前だったら、
りゅうも大人しい犬になっていたかもしれないね」と。
ぼくもそう思った。
名前って、ほんとうにむずかしいなと思った。
「さわるな、これはぼくのごはんだ」 1
ぼくには一つだけ悪いくせがあった。
あーちゃんがごはんを運んでくると、ぼくは食器の
中へすばやく手を入れてしまうのだ。
なぜ手を入れるようになったかというと、ぼくには弟
と妹がいて、早くごはんを食べないと、ごはんがなく
なってしまった。
つづく