愛犬りゅう「ばいばい、またね」

[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」


「さわるな、これはぼくのごはんだ」 2


だから、ぼくはごはんが運ばれてくると、「これは、ぼ
くのごはんだ。おまえたち、手をだすな」って、弟や
妹にいっていたのだ。
今は誰もごはんをとる人はいないのに、習慣ってこわ
いね。


食事のたびに、ぼくはあーちゃんにしかられた。
「りゅう、食器に手を入れてはだめよ」
「これはりゅうのごはんだよ。誰もとらないから、安心し
ておたべ」と。
あーちゃんはそういったけれど、ぼくは安心できなか
った。
まさか、あーちゃんがぼくのごはんを食べてしまうとは
思わなかったけれど・・・ね。


             つづく