愛犬りゅう「ばいばい、またね」

[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」


「わん」となけたよ!! 3


「おじさんは何をしているのだろう?早くあーちゃん
に知らせなくては・・・」
ぼくはあせった。
「わっ」
「わぁっ」
「わっー」
「わん」となきたいけれど、うまく「わん」と鳴けない。
なにしろぼくは「わん」とないたことがないのだから、
無理もない。


あーちゃんは二階で仕事をしているのか、下へお
りてこない。
何度か「わっ」「わぁっ」とやっているうちに、やっと
「わん」と鳴けた。
おじさんはぼくの「わん」という声にびっくりして、台
所の中をのぞくのをやめた。
そして帰って行った。


          つづく