朝顔のエスカレーター

[童話]朝顔エスカレーター


朝顔エスカレーター 10


そして、あちらにひとつ、こちらにひとつと、花が咲き
出しました。
赤い花も白い花もあります。
紫の花も、ピンクの花も咲き出しました。
何千何万という花が、色とりどりにぱっと音がして開
いていきます。
色あざやかな竜が、空に向かってかけのぼっていく
ような、そんな感じでした。


かなは、ぽかーんとして、たくさんの朝顔の花を見て
いました。
「かなさん。私の体にしっかりつかまりなさい。これか
ら良い所へ案内しますから」
どこからか、また声が聞こえてきました。
かなは、おそるおそる朝顔のつるにつかまりました。


             つづく