童話「笛の音よ、永久にひびけ」2
「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ」
晴れた日には、森の上空を、とびがのんびりとんで
います。すずめ・しじゅうから・からす・おながな
どは、一年中楓の木に遊びにきます。
りすやかもしかも、やってきます。せみやとんぼ、
かぶと虫も遊びにきます。
森の動物たちは、楓が大好き。楓は、この森の人気
者でした。
長い休みになると、村のこどもたちも、丘の上へや
ってきます。
「じゃんけんぽん」
「あいこでしょ」
「もうーいいかい」
「まぁーだだよ」
こどもたちは、楓の木の下で、じゃんけんやかくれ
んぼをして遊びます。
楓は、村のこどもたちが大好き。こどもたちも、楓
の木が大好きでした。
こどもたちだけでなく、おとなも楓の木が大好きで
した。こどもの頃を思い出し、楓の美しい芽吹きや
黄葉をみに、丘の上へやってきます。そして、楓の
木の下で、ゆっくり休んでいきました。
楓が冬のねむりからさめた、春のある日。
「この木も、じゃまだー」
「あの木も、じゃまだぞぉ」
つづく
童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、みほようこの
四冊目の童話集・「ライオンめざめる」に収録されます。
「ライオンめざめる」は、来月末(九月末)に、
http://www.choeisha.com/
から、発行される予定です。
収録される童話
・ ライオンめざめる
・ 笛の音よ、永久にひびけ
・ かきつばたになった少女
今までに発行された「みほようこ」の本