愛犬りゅう「ばいばい、またね」


   愛犬りゅう「ばいばい、またね」7


あーちゃんの家にくる前、ぼくは少女の家のこ
たつの中で暮していた。
だから、夜になると、外の犬小屋は寒かった。
ぼくは寒がりの犬だったのかもしれない。



あーちゃんは、ぼくが寒くないようにと、小屋の
まわりをダンボールやビニールで囲ってくれた。
そして、中にあたたかなざぶとんもしいてくれた。
でも・・・ぼくは寒くてたまらなかった。
「りゅうは毛皮をきているから、冬でも寒くない
よね」
あーちゃんからそういわれたくなかったので、ぼ
くはじっとがまんしていたのだ。



でも、ある晩とうとうがまんできなくなって、あ
ーちゃんをよんだ。
あーちゃんはすぐとんできてくれた。
ぶるぶるふるえているぼくをみて、あーちゃんは
カイロを入れてくれた。
ぼくはカイロにしがみついた。
ぽかぽかして、あたたかかったな。
あーちゃん、あたたかなカイロをありがとう。



その頃、ぼくの妹は、かぜをひいてなくなったとい
う。妹はたった二ヶ月の命だった。かわいそうに・・・。
妹もあたたかなカイロを入れてもらっていたら、長
生きできたかもしれない。
妹は「寒いよぉ」って、いわなかったのかな?
おとなしい妹だったから、寒くてもじっとがまんし
ていたのだろうな。


          つづく