白駒の池物語102
「その木の実は、湖の近くにある
のですね」
「はい。でも、その木の実は、人
間の目にはみえません。
清太の心は、神様のように澄みき
っていました。
だから、何かの拍子に、赤い木の
実がみえたのでしょうね。
清太に聞いたら、穴に落ちた時赤
い木の実がみえたそうです。
うまそうだったので、つい木の実
を一つ食べてしまったといってい
ました」
「じゃあ、清太さんは、もうこの
世にはいないのですか」
「はい。清太は、もうこの世には
いません。
私たちの国で、心静かに暮らして
います。
あなたと暮らした八年間は、とて
も楽しかったといっていましたよ」
つづく
「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081115#p1
初めてこの物語を読んでくださった
かたへ
白駒の池物語1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1
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