火とぼし山


   火とぼし山81


きよの両親も、記憶のない娘と暮
らすのはつらいだろう。
いろいろ考えた末、明神さまは、
静岡の知り合いにきよを預けよう
と思いました。



その夜。
「手長、足長。明神じゃ。
用事があるので、すぐきてほしい」
「はい、わかりました」
手長と足長は、いそいで明神さまの
やしきへ行きました。



「夜遅くにもうしわけない。
これから、きよを静岡の知り合いま
でつれていってほしい」
「えっ、きよを、静岡へつれていく
のですか」
手長が驚いて聞きました。


            つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100529#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1



信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。