福寿草になった少女


   福寿草になった少女 21


村の人々も、手分けしてさがして
くれました。
しかし、福はどこにもいません。
「もしかして、守屋山へ行ったの
では・・・」
小雪のちらつく中を、大がかりな
山狩りが、一晩中おこなわれました。
でも、福をみつけることはできま
せんでした。



「福や、福や。どこへ行ってしま
ったの」
「この寒さでは、福はこごえしん
でしまうだろう。かわいそうに」
長者夫婦は、いてもたってもいら
れません。
「福が無事にもどってきますように」
二人は、ひっしで明神さまにお願
いしました。


         つづく