火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 19


第三章 湖の氷の上を歩く娘 2


明神さまは、諏訪地方を守っている神様。
農耕の神様・狩猟の神様・風の神様ともいわれ
ています。
明神さまは、下諏訪に住んでいる奥さんの所へ
行く途中でした。


「娘か。こんな寒い夜、あの娘はどこへ行くの
だろう」
娘のことが気になった明神さまは、そっと娘の
後をつけました。
「みしっ」
「ばりっばりっ」
「ぱり」
娘が歩くたびに、氷の割れる音がします。


        つづく