火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 59


第六章 湖を泳ぐ娘 7


「次郎さん、魚よ」
「魚?」
「泳いでいる途中、つかまえたの。後で焼いて
食べよう」
きよは、次郎に魚をわたしました。


「きよちゃん。早く髪をかわかさないと、かぜ
をひくよ」 
次郎は、自分のてぬぐいをきよにわたしました。
きよは、そのてぬぐいで髪をふきました。
次郎のにおいが、ぷーんとしました。
きよと次郎は、いつものように、一晩中語りあ
かしました。
楽しいひとときでした。


        つづく