赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


赤い夕顔の花 45


「何、城が焼けた?」
「はい。逃げてくる途中、城が燃えていました。そ
うべえさんに道案内をお願いしたいと思い、ここ
へ寄りました。昨夜から歩き通しなので、少し休ま
せていただけないでしょうか」
「奥がたさま、さあどうぞ。何もありませんが、中で
ゆっくり休んでください」


「では、遠慮なく休ませていただきます」
お万と長五郎は、そうべえの家で、二時間ほど休
ませてもらいました。
そうべえは、一人で暮らしていました。
あわめしと温かなみそ汁をごちそうになり、お万と
長五郎は少し元気になりました。


         つづく