愛犬りゅう「ばいばい、またね」

[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」


「プロローグ」 2


何千回も「おはよう」ということばを聞いていれば、
そのうちぼくが「お・は・よ・う」っていえるようになる
と、信じていたらしい。 
犬がことばをしゃべれるはずはないのに・・・ね。


でも、あーちゃんがいっていたよ。
「りゅう、話ができる犬がいるんだって。りゅうも話が
できるようになるといいね」って。
あーちゃんは、ぼくが生きていた間、ずっと「おはよ
う」といっていたのだから、やっぱり変わっているよね。
あーちゃんと暮らした十五年と三ヶ月、ほんとうに楽
しかったなぁ。
あーちゃん、ありがとう。


             つづく