火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 16


第二章 再会 6


「次郎さん。体だけは気をつけてね」
「きよちゃんもね」
二人は、別れてからのことを、一晩中語りあ
かしました。
楽しいひとときでした。


東の空が、だんだんに明るくなってきました。
「きよちゃん。ぼつぼつ帰らないと、仕事に
間に合わないよ。一睡もしていないけれど、
だいじょうぶ」
「若いから、平気よ。じゃあ、帰るわ。次郎
さん、今度はいつ会えるの」
「十日後、会おう」


        つづく